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下北文化会館 郷土芸能発表会・フード&クラフトイベント「ふゆごもり」~未来へつなぐ子ども達の郷土芸能~

教育事業文化創造事業

 

今年「下北地区子ども会郷土芸能発表会」が開催 40 回を迎えました。

下北管内で郷土芸能に携わっている子ども達の年に一度の発表の場として、毎年 2 月に開
催しています。
郷土芸能を後世へ繋ぐために子ども会育成連合会と共同主催しているのが、下北文化会館

です。東京堂では指定管理受託事業として下北文化会館の管理・運営を行っています。

下北の郷土芸能は今、存続の危機にさらされています。
むつ市の奥内歌舞伎は小学生の演じ手を周辺地区からも募っていますが足りない為、中学
生に協力を仰いでいます。
他にも人数が少なく活動できない為、子ども会自体の解散を決定した地域もあります。
少子化により担い手が少なく指導者の高齢化により次世代に繋げることが出来ない、厳し
い現状です。

今回の開催に向けて下北文化会館では出演団体の告知動画を作成。SNS で投稿しまし
た。出来る限り練習風景の撮影・取材も行いました。
取材の際、子どもも大人も口々に郷土芸能が大好きだ、特にこの囃子や踊りがお気に入り
なんだと皆さん目を輝かせているのがとても印象的でした。
また、指導者の中には子供の頃に郷土芸能発表会に出演した経験があるという方もいらっ
しゃいました。下北文化会館で発表した事、その時見た他の団体の演出まではっきりと覚
えているよと話されていました。

  

郷土芸能の継承だけではなく、人の記憶に残る場を無くしたくない。
少しでも多くの方に今回の発表会を観に来ていただきたい。

そういった思いから、下北地区子ども会郷土芸能発表会と同時開催でフード&クラフトイ
ベント「ふゆごもり」を企画しました。
テーマは「郷土」。県内から 29 店舗の出店者をお呼びし青森をテーマにした作品やワーク
ショップ、特産物を使用したメニューなどを提供していただきました。フードブースでは
郷土芸能発表会に出演する子ども会の地域から必ず 1 店舗以上出店して頂き、「食」でも
下北を感じられるように工夫しました。
その他館内ではりんごをテーマにした飾り付けや、県内の写真、青森大学工藤和彦教授執
筆の「下北の伝承芸能 ~子ども会の視点から~」の展示を行いました。
館内全体で郷土を知る、食べる、楽しむ 1 日になるよう館内スタッフ皆で話し合い、郷土
芸能発表会を盛り上げられるよう尽力しました。

結果として、2,000 人を超える多くのお客様にご来場いただきました。
お客様からは「今まで郷土芸能発表会が開催していることさえ知らなかった。様々な地域
の伝統芸能を知れてとても良かった」、子ども会育成連合会会長中嶋様からは、「どちらの
イベントも盛り上がりとても良かった。41 回目開催に向けての元気を頂きました。」と嬉
しいお言葉を頂きました。

 

少子高齢化によって郷土芸能の演じ手、支え手も減少傾向にあります。一方で長い歴史
や特色、魅力を持つ郷土芸能は地域の守るべき価値です。
その価値を磨き、発信していく事業づくりをスタッフ一同これからも提案していきたいと
思います。

 

 

文化創造事業部 工藤凪紗