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下北Jr.ウインドオーケストラ シモジュニ活動報告

教育事業

本州最北に位置する青森県むつ市の小学生バンド下北Jr.ウインドオーケストラ「以下シモジュニ」は、令和元年に誕生。国主導で推し進める教員の働き方改革に加え、加速する少子化の波は、この地で活動する子どもたちの活動そのものを、変える必要があった。

 

シモジュニは、この地で吹奏楽を学びたい子どもたちの活動として存在する。

 

支えるのは、行政、音楽団体、保護者、学校、自衛隊。官民一体となって、それぞれがそれぞれの役割を担っているのがシモジュニの仕組みであり、そのハブとなっているのが我々東京堂なのだ。

 

平日夕方の毎日活動であった学校部活動を、週末だけ公共文化施設である下北文化会館へ集まっての地域活動へ移行するということは、場所や回数の変更だけではなく、仕組みや内容そのものが今を生きる子どもたちに合っているのかが問われる。

 

これまで顧問一人主導だった指導内容を変更し、地域の楽器愛好家による指導バンクを立ち上げ、活動の度に有償で配置する内容で活動をスタートさせたのは、進化した受け皿にする必要を感じたから。新しいものにチャレンジする時、都度判断を求められるが、形ないものを形にする際の判断基準は、持続可能でなればならないという軸。運営チーム全体で大切にしてる軸ともいえる。

 

シモジュニ結成当時にいただいた初のイベントは、キラキラ星をリピートするというコンサート。楽器を手にて3ケ月。「ドレミファソラ」の6つの音のみを使って演奏することしかできなかった小学生たちが、今では東北大会金賞受賞という実力をつけるまでに至った。

 

活動を進めるにあたり、子どもたち自身が活動を変えてきたことがある。

 

小学生のためのバンドとしてスタートしたシモジュニは、結成から4年すると、中学生も含めた活動に変更した。シモジュニを卒業したくないという子どもたちが自分たちの活動の枠組みを変えたいと言い始めたのだ。その他にも、学校には行けないけどシモジュニには来れるという生徒の居場所的存在となっていることも含め、運営は決まりや枠組みを守るのではなく、子どもたちと共に考え進化させ、形にする必要がある。みんなのために考えて動くと実るという成功体験を、学生のうちに体験させたいという運営側の想いも同時に叶っていく。

 

この仕事で取り扱う商材は形ないものではあるが、我々東京堂が担っているこの商材は、ここに携わるすべての人たちの生涯かけがえのないものになると信じて、日々の業務をまい進しよう。

 

執筆:東京堂 文化創造事業部 事業部長 長津亜紀江